
No More Again 13
3日間の出張から帰ってきて思った
牧野より俺の方が牧野離れに耐えられなくなっていた
「あぁ…牧野に会いてぇ…」
ついついポロッと口に出したその言葉を高度なあのセンサーは聞き逃さなかった
「牧野ですけど…??!」
期待と喜びを持った声で牧野が返事をする
「ッッ!?な、なんでいんだよっ、」
「…会いたいの?好きなの?」
俺の質問はお構い無しに色々聞いてくる
「……ちっ、違ぇよっ!
そ、そーいやお前、俺のおかげで部屋に帰れたこともう忘れてんのか?」
「なーんだ…まぁ、あのときはありがと…」
「おぅ…」
「ねぇ、そろそろハッキリしない?」
こいつがいきなり真面目な顔で話し始めた
「あ?」
「あたしのこと好き?付き合いたい?」
「…今仕事中だぞ?」
牧野の質問に答えれる自信がなくてしょうもない言い訳でしか言い返せない
「仕事中でもいつもはプライベートな話しても何も言わなかったくせに…
やっぱり、あたしじゃダメだよね…」
俺の言葉に
牧野の顔が変わった、声が変わった
俺が見たことの無い牧野の顔だった
「は?」
「あたし、ココやめようと思う」
そして大きな瞳と低い声で言った
「……え」
「あのね…類の会社に類を扱える人がいないらしくて
秘書さんとかにすっごい頼まれちゃったから…」
何を言われたのか分からなかった
でも俺は心が傷ついていることに気づきながらも
素っ気ない反応しかできない
「…そ」
俺たちの中に微妙な空気が流れる中
それは突然だった
「ちょっと待ってぇっ!!」
「「っ誰?!」」
あまりに突然の事で俺と牧野の声が重なる
「あ、ごめんなさぁい…ってか司は知ってるよね?」
しかし答えはすぐだった
俺の聞き馴れた(正確には聞き馴らされた)声だった
「…おまっ、滋か?」
「えっと…初めましてつくしさん!
司のお友達の大河原滋ですっ!」
人懐っこい笑顔で牧野に挨拶をしていく滋
「あ…初めまして牧野つくしです」
滋に戸惑う牧野
謎の組合せ、そして滋がどうしてここに来たのかもあやふやなまま話は勝手に進んでいく
「あたしのことは滋って呼んでね
でねつくし、あたしは司に恩があるから返そうと思うんだけど返す方法が1つしかないの!」
…ちょっと待て
…こいつ何を言い出すつもりだ?
「はぁ…」
「それで、それはつくしがいないとできないから、協力して欲しいの!
だから類くんの会社には行かないでぇっ!」
こいつ、絶対アレを言うつもりだ
俺ですらまだ言えてないのに…!!
「え?ちょっ、ちょっと落ち着きましょう、ね?
何をすれば道明寺に恩を返せるんですか?
まずそこから教えて貰えると嬉しいんですけど…」
「あー司、言っていい?」
「ダメに決まってんだろ」
「はーい…
ごめん!つくし言えないけどまぁ司はいつか言わないと死ぬからそういうことで!ねっ?」
「いや!!滋さんっ!道明寺も!
ちゃんと説明してもらわないと…」
粘り強い牧野としつこい滋
こいつらに押されてとうとう言わなければならなくなった
できれば言いたくない
言ったところでまた…でも、もう一度言ってもいいんじゃないか
そう思い始めてる俺がいるのはなぜだろう?
「ほら、司?ちゃんと言わないと、ねぇ?」
「じゃあお前は出てけ」
うるさい滋を追い出してちゃんと言おう、牧野に
「えーなんでーさぁ…」
「じゃあ言わねぇ」
「分かったよっ!もう!早くしてよねっ!」
「早く出てけ」
「じゃ、つくし後でね!
司、ドアの前で待ってるからねっ!」
滋がいなくなったあとモヤモヤ中の牧野が聞いてきた
「なんなのよ
ちゃんと説明してもらわないとわかんない」
「……俺はな」
この際、牧野に全てを話そう
今までのことも今のことも
「何よ」
「高校の時、お前のことが好きで好きでたまらなかったんだ
で、お前と類がそーゆー関係っていうのを知ってショックでな…
それがまだトラウマでお前に好き好き言われても
どーせ裏切るんだよなって思ってたからどーにも出来なくて
でも俺もまだ……お前のこと……好きなんだよ」
俺がそう言うと牧野は少し悲しそうな顔をして
俺の目を見て少しずつゆっくりと言った
「…あ、ごめんね…
昔ねあたしも花沢類のこと好きなのは本当だったから
あたしはずっと花沢類が好きなんだっ!って思い込んでたの
でもだんだん道明寺のことが気になってきちゃって素直になれなくて
でもやっぱり花沢類のことが好きで…それで道明寺がNYに行った時に“あっ…あたし道明寺のこと好きなんだな”って思い始めてそれからずっと道明寺が好きなの
道明寺にあった時はもう攻めることしか出来なくてそれでね…」
「そーゆー事かよ
俺らなんか空振ってばっかだな…」
牧野の言葉を聞いて思った
俺の勘違いなんかじゃなかったんだな、と
お互い自分の気持ちに正直になれなかったってわけだ
そう思うとなんだか笑えてくるな
「道明寺ありがとう」
泣きそうな顔で俺に言う
俺だって牧野に言いたい、ありがとうって
「なんだよ…急に…」
俺はそんな素直になれねぇけど
「好き?」
「ああ」
「ちゃんと言ってよ?」
「好きだ」
これからはちゃんと言おう
1万回でも何万回でも
「…ちゅ」
このまま牧野と…
「つくしー!司ー!終わったー??」
ちょうど俺らがキスをし始めたときにドアを開けて滋が入ってきた
「ッッはいっ!」
「滋…邪魔すんなよ…」
お互い反射的に離れてしまった
「なになに?2人チューでもしてたわけぇ?」
滋に言われた言葉で俺と牧野は茹でダコのように顔が真っ赤に染っていた
その様子を見た滋は
「なにさぁ〜?滋ちゃんに感謝しなさいよっ!」
と言い
またねー!と帰っていってしまった
あいつはあいつで気使ったのかよく分からねぇけど滋のおかげなのは間違いねぇな
いつも応援ありがとうございます。
牧野より俺の方が牧野離れに耐えられなくなっていた
「あぁ…牧野に会いてぇ…」
ついついポロッと口に出したその言葉を高度なあのセンサーは聞き逃さなかった
「牧野ですけど…??!」
期待と喜びを持った声で牧野が返事をする
「ッッ!?な、なんでいんだよっ、」
「…会いたいの?好きなの?」
俺の質問はお構い無しに色々聞いてくる
「……ちっ、違ぇよっ!
そ、そーいやお前、俺のおかげで部屋に帰れたこともう忘れてんのか?」
「なーんだ…まぁ、あのときはありがと…」
「おぅ…」
「ねぇ、そろそろハッキリしない?」
こいつがいきなり真面目な顔で話し始めた
「あ?」
「あたしのこと好き?付き合いたい?」
「…今仕事中だぞ?」
牧野の質問に答えれる自信がなくてしょうもない言い訳でしか言い返せない
「仕事中でもいつもはプライベートな話しても何も言わなかったくせに…
やっぱり、あたしじゃダメだよね…」
俺の言葉に
牧野の顔が変わった、声が変わった
俺が見たことの無い牧野の顔だった
「は?」
「あたし、ココやめようと思う」
そして大きな瞳と低い声で言った
「……え」
「あのね…類の会社に類を扱える人がいないらしくて
秘書さんとかにすっごい頼まれちゃったから…」
何を言われたのか分からなかった
でも俺は心が傷ついていることに気づきながらも
素っ気ない反応しかできない
「…そ」
俺たちの中に微妙な空気が流れる中
それは突然だった
「ちょっと待ってぇっ!!」
「「っ誰?!」」
あまりに突然の事で俺と牧野の声が重なる
「あ、ごめんなさぁい…ってか司は知ってるよね?」
しかし答えはすぐだった
俺の聞き馴れた(正確には聞き馴らされた)声だった
「…おまっ、滋か?」
「えっと…初めましてつくしさん!
司のお友達の大河原滋ですっ!」
人懐っこい笑顔で牧野に挨拶をしていく滋
「あ…初めまして牧野つくしです」
滋に戸惑う牧野
謎の組合せ、そして滋がどうしてここに来たのかもあやふやなまま話は勝手に進んでいく
「あたしのことは滋って呼んでね
でねつくし、あたしは司に恩があるから返そうと思うんだけど返す方法が1つしかないの!」
…ちょっと待て
…こいつ何を言い出すつもりだ?
「はぁ…」
「それで、それはつくしがいないとできないから、協力して欲しいの!
だから類くんの会社には行かないでぇっ!」
こいつ、絶対アレを言うつもりだ
俺ですらまだ言えてないのに…!!
「え?ちょっ、ちょっと落ち着きましょう、ね?
何をすれば道明寺に恩を返せるんですか?
まずそこから教えて貰えると嬉しいんですけど…」
「あー司、言っていい?」
「ダメに決まってんだろ」
「はーい…
ごめん!つくし言えないけどまぁ司はいつか言わないと死ぬからそういうことで!ねっ?」
「いや!!滋さんっ!道明寺も!
ちゃんと説明してもらわないと…」
粘り強い牧野としつこい滋
こいつらに押されてとうとう言わなければならなくなった
できれば言いたくない
言ったところでまた…でも、もう一度言ってもいいんじゃないか
そう思い始めてる俺がいるのはなぜだろう?
「ほら、司?ちゃんと言わないと、ねぇ?」
「じゃあお前は出てけ」
うるさい滋を追い出してちゃんと言おう、牧野に
「えーなんでーさぁ…」
「じゃあ言わねぇ」
「分かったよっ!もう!早くしてよねっ!」
「早く出てけ」
「じゃ、つくし後でね!
司、ドアの前で待ってるからねっ!」
滋がいなくなったあとモヤモヤ中の牧野が聞いてきた
「なんなのよ
ちゃんと説明してもらわないとわかんない」
「……俺はな」
この際、牧野に全てを話そう
今までのことも今のことも
「何よ」
「高校の時、お前のことが好きで好きでたまらなかったんだ
で、お前と類がそーゆー関係っていうのを知ってショックでな…
それがまだトラウマでお前に好き好き言われても
どーせ裏切るんだよなって思ってたからどーにも出来なくて
でも俺もまだ……お前のこと……好きなんだよ」
俺がそう言うと牧野は少し悲しそうな顔をして
俺の目を見て少しずつゆっくりと言った
「…あ、ごめんね…
昔ねあたしも花沢類のこと好きなのは本当だったから
あたしはずっと花沢類が好きなんだっ!って思い込んでたの
でもだんだん道明寺のことが気になってきちゃって素直になれなくて
でもやっぱり花沢類のことが好きで…それで道明寺がNYに行った時に“あっ…あたし道明寺のこと好きなんだな”って思い始めてそれからずっと道明寺が好きなの
道明寺にあった時はもう攻めることしか出来なくてそれでね…」
「そーゆー事かよ
俺らなんか空振ってばっかだな…」
牧野の言葉を聞いて思った
俺の勘違いなんかじゃなかったんだな、と
お互い自分の気持ちに正直になれなかったってわけだ
そう思うとなんだか笑えてくるな
「道明寺ありがとう」
泣きそうな顔で俺に言う
俺だって牧野に言いたい、ありがとうって
「なんだよ…急に…」
俺はそんな素直になれねぇけど
「好き?」
「ああ」
「ちゃんと言ってよ?」
「好きだ」
これからはちゃんと言おう
1万回でも何万回でも
「…ちゅ」
このまま牧野と…
「つくしー!司ー!終わったー??」
ちょうど俺らがキスをし始めたときにドアを開けて滋が入ってきた
「ッッはいっ!」
「滋…邪魔すんなよ…」
お互い反射的に離れてしまった
「なになに?2人チューでもしてたわけぇ?」
滋に言われた言葉で俺と牧野は茹でダコのように顔が真っ赤に染っていた
その様子を見た滋は
「なにさぁ〜?滋ちゃんに感謝しなさいよっ!」
と言い
またねー!と帰っていってしまった
あいつはあいつで気使ったのかよく分からねぇけど滋のおかげなのは間違いねぇな
いつも応援ありがとうございます。

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