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No More Again 6

道明寺…?!

「社長?お知り合いですか?」

「…っと、見ない顔だから…新人か?」
これは…他人のフリ?
絶対あたしって気づいてるよね??
ここは空気を読まないとっと…

「はい、システム課に配属されました。
牧野つくしです。社長、はじめまして」
でもやっぱりイラッときたし………
忘れてて欲しくないから、最後の言葉を強調して言ってみた。

「おう。お前ここの担当か?」
うわっ、この顔…
ちょっとひきつってる…
絶対覚えてるぅっ!

「はい。そうです」

「よろしく」
よろしく?!あたし1度も言われたことないのに、社長となるとそうなるかっ…!

「では私は副社長に挨拶をしに来たので、これで…」

「ああ、ありがとう」
副社長はやっぱりいい人だっ…
帰る間際のドアを開ける前、そう思った。





てゆーか、あたし運良すぎじゃない?!
やっぱり、あたしと道明寺は結ばれる運命…?

なーんてね、もう会うことはないかもしれないのに。

「牧野、ちょっとこい」

「は?えっ…どっ…?」








ーーー
「お前、どういうつもり?」
少し冷たい目をしたような、泣きそうな目をした道明寺があたしに聞いてきた。

「え?何が…ですか?」
一応上司の道明寺にあたふたした敬語で質問した。

「いや、もういいし。普通通り話せ」
やっぱり、気づいてたんだ…

「でも一応上司…」
そんなこと言っても

「あ?そんなの関係ねぇよ」
やっぱりこうやって言い返すよね…

「あ、うん…で、なに?」
改めて質問の内容を聞く

「だから、どういうつもり?」
どういうつもりって…
あたし、なんかした?

「は?何が?」

「なんで、この会社にいる?」
あ、そういうこと?
てゆーか、社長が社員になんでそういうこと言うのかな?
でも、道明寺と会いたいから…
好きだから…なんて言えないよ、、、

「働きたいから」
適当に答えると道明寺の顔がこわばって

「俺になんか腹いせでもするつもりか?」
なんてことを言った。
そんなことするつもりなんかないのに、無駄に疑われたあたしは、だんだん怒ってきて

「しないって!
あたしは、ここでちゃんと働きたいから就職したの!
あんたなんか…あんたなんか…」
好きな人に言ってはいけない言葉。
あんたなんかって…
もうあたしって…

「そうかよ、じゃあな…」
道明寺は少し悲しそうな顔をして部屋から出てった。
やっぱりイラッとくるよね。
自分を否定されるなんて、人を否定するなんて最低だ。



「っ………やっちゃった…うっっ……っ…」


この日ほど意地っ張りなあたしを恨んだ日はなかった。
もしかしたら、この日が道明寺と会うのが最後かもしれないのに。
後悔という言葉じゃ言いあらわせないくらい悲しかった。







いつも応援ありがとうございます。

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No More Again 5

『道明寺さん!日本に戻られるということは…ミダルさんとの婚約は白紙になったのでしょうか?』
テレビの向こうで記者が道明寺にマイクを向けている。

『…』
それに対して、道明寺は何も答えない。

『道明寺さん!どういうことなんでしょうか?』
それでも記者は道明寺に聞き続ける。

『…俺はもう誰も好きにならない』
道明寺が少し間をあけてそう答えた。

『えっと…それは?』
少し驚いた様子で、記者は詳しく聞いた。

『俺はもう二度と婚約もしません。恋愛なんか真っ平御免だ。
だから、そんなガセ話出しても無駄だからな?お前』
そう言って、道明寺が指を刺した方向には、40代くらいの男性が立っていた。

『……っ』
その人は、なんとも言えなさそうだ。
図星なのかな?

『聞いてたか?お前だぞ?俺はな、わかってるからな?』
道明寺がもう一度釘を刺すように言った。

『…は、はい』
そして、その人は少し後ろに下がりながら答えた。


「やっぱ、もう無理かも…」
あたしは道明寺のことが好きと自覚して、諦めようとしつつ、道明寺の載ってる本を買ったり、テレビとか少し道明寺グループについて勉強したりしていた。
その中には、道明寺とどこかの御令嬢の結婚話とかも書いてあって、あたしへの嫌がらせかな?なんて思ったりした。

それはもうないにしても、誰とも恋愛しないって。








ーーー
「牧野つくしです。これからよろしくお願いします」

あたしが配属されたシステム課は会社の内部データを扱う大切な課。

もちろん、会社の上層部との交流も多い。
と、いうことは…
社長との関わりかもてる可能性が少しはある!

でも、新人のあたしが社長と関わるような仕事をするのは何年先になるかな…


でも、少しずつ頑張ってかなきゃっ…!


「牧野さん?」

「は、はい」

「あなたには…そうね、副社長のサポートをしてもらおうかしら」
副社長?!いきなりっ!?

「えっ?副社長ですか?」

「ええ。難しい仕事にも慣れてもらうと色々楽なの。システム課は人不足なの」
だからか…
確かに、他の先輩は何個の課をかけ持ちしてたりしてたな…
まだ1つなあたしは楽な方なのかもしれない。

「そ、そうですか…」

「じゃあ、よろしくね」








ーーー
まずは、副社長にご挨拶!
確か…道明寺のお母さんの元秘書らしいんだよな…
どんな人かな…?

「失礼します。システム課のものです」

「はい、どうぞ」
あっ、男の人っぽい声だ。
名前は松平さんっていうのしか知らなかったから、男の人というのにすこし緊張するな。

「あの、これから副社長の管理をさせていただきます、システム課の牧野つくしです。よろしくお願いします。」
副社長に挨拶をすると横から聞き慣れた声が聞こえた。

「……牧野?」
呼ばれて、見た先には5年ぶりに生で見た道明寺の姿があった。








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No More Again 4

類と学校を出て、これまた高そうなカフェに連れてかれた。
「あんた何飲む?」
類があたしにメニューを見せながら聞いてきた。

「え、、うんと、カフェラテで?」
あたしは適当に高級なお店の中でも安そうなカフェラテを頼んだ。

「そ、俺ホットミルク」
…ホットミルク??
今、、夏の終わりから秋の始まりなのに?

「ホット?熱くないの?」
思わず聞いてしまった。

「うん。だって、美味しいでしょ?」
やっぱりこの人変な人だ。
しかも理由になってないし。

「いや、そうだけど…」
あたしは返す言葉がなくなる。

「まぁ、しばらく待ってよ」

「うん」



待ってる間、ずっと頭のなかにある道明寺の顔。
忘れられない。
笑った顔も、寂しそうな顔も、怒った顔も。
全部、鮮明に覚えている。

「…し?つくし?」

「…っへ?何?!」
類に突然呼ばれて驚く。

「カフェラテきたけど…」
あ、それだけか、、

「えっ!いつの間にっ!ごめんっ…」
でも、それに気づかなかった自分に驚いている。

「早く飲みな」
類がコップをあたしの方に出してくれる。

「う、うん…」

もうヤダっ…!
類にもあやしまれてるし…

道明寺のこと忘れるもん…
てゆうか、好きでもないのに別にそんなに気にすることじゃないし。
赤札貼った嫌な奴だもん。



「はぁ…おいしかった…」
カフェラテを飲み終わりため息をつく。

「そう?よかった。行こっか?」
類がそう言って、椅子から立ち上がる。

「うん」



カフェを出たあと類は公園に行きたいと言って、カフェから近い自然のたくさんある公園に行った。

「類、公園好きなの?」

「うん。なんか、いいでしょ?」

「そうだね〜あたしも好きかな?」
そんな話をしていたら、類が突然…

「ねぇ…」
あたしに顔を近づけてきた。

「…んっ?………類っ?」
あたしの唇に、類の唇が触れそう。
もしかして、キスしようとしてる…?

「……していい?」
やっぱりそうだ…

「え、、」
少し驚いていると

「てゆうか、付き合ってるからいいよね?」
類がキスをしてこようとした。
そのとき、道明寺の顔が浮かんだ。
あたしに真剣な顔で、少し不安そうな顔で言った“好きだ、お前が好きだ”と言う言葉と共に。
それを思い出したあたしはもう止めることが出来ない気持ちが芽生えた。

「………いやっっ!」
そして、類を拒んでしまった。

「…つくし?」
うわぁ、あたし最低だ。
でも、やっぱりあたし、、

「ご、ごめん…」

「どうしたの?」
もう言うしかない。
そして、この気持ちに気づくしかない。

「ごめん、類とはもう付き合えない」
言ってしまった。たった数時間しか付き合ってないけど。

「…なんで?てゆうか、あんたがさっき言ったじゃん。」
そうだよ。その通り。
だから、類にはちゃんと言わないと。

「…ごめん…。あ、あたし、、ど、道明寺が好き」
言葉にして言うと、あたしはこの気持ちをどれだけ隠してたのか。
この気持ちをなんで気付かないふりをしてたのか。
意地っ張りにならないで、ちゃんと認めておけば、あたしは類を巻き込まずに済んだ。
道明寺を傷つけずに済んだのに。

でも、やっぱり諦められないんだ。

恋は。










ーーー
「道明寺に会えるかな?」

あれから5年。
類と西門さんと美作さんにいろいろ手伝ってもらって、道明寺の会社に頑張って入った。
そして、運良く社長と関わりが持てそうな
“システム課”に配属された。
システム課になれば、会社の内部情報のいろいろをやる課だから社長とかの役員との接点がもてるかも…?
でも、いつ帰ってくるかもわからない。
もう、彼女がいるかもしれない。
期待は持たないようにしとこう。

そう思ってた矢先、道明寺が日本に帰ってきて日本支社長になった。









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No More Again 3

「おい?聞こえたか?てゆーか、聞いてたか?」

『あ?うっせーな。
俺はな、今仕事しんてんだ。
おめぇらと違って、忙しいんだよ』

「そんなこと言うなよ。
お前、ガチで好きだったんだろ?
ホントにいいのか?」

『いいって言ってんだろっっ!もうかけてくんなっ!』

ブチッッ!!!!!!!


「こりゃガチだ。無理だな…
総二郎かけろよ?」

「まぁ、司がいいって言ってんだ。もう1人の親友、応援してやろうじゃねぇか」

「そうだな。
でも、俺は司と牧野のコンビ好きだったけどな…」

「あきらもか?実は俺なんだよ…
あいつら、ホントによかったのか…」








ーーー
「るーいっ!」
非常階段の上から、類のいる場所に行った。

「つくし!授業終わったの?」
多分寝ていた類が起き上がってきた。

「うん。お弁当!食べない?」
まだお昼がまだだと思って、類に聞いてみる。

「つくしが作ったの?」
まぁ、シェフなんかいないんでね…

「うん。おすすめはね、つくしちゃん特製の卵焼きだよ?」

「じゃー、それちょうだい?」
あれ?類、これだけのつもりなのかな?

「全部あげるか?お弁当」

「えっ、いいの?やった。」
あ、よかった。よろこんでくれた

「どーぞ」
そう言って、類にお弁当箱を渡す。



「ごちそーさま。おいしかったよ」
箸を置いた類はあたしにお弁当箱を渡してそう言った。

「よかった」

「そういえばねー、司がね、仕事してるんだって。」
…道明寺が?
…仕事?
…あの道明寺が?

「…ふ、ふーん」
こんな言葉しか、言えることがなかった。


「もう、何年も戻ってこれないらしいよ」


何年も?
道明寺なんかもういいって思ってたけど、
道明寺なんて、もういいのに…
これを聞いた瞬間、頭が真っ白になった。

「へ…?なん、ねん…も?」
頭の中でずっとリピートしてる。
類の言葉が、頭の中をクルクル回っている。

「うん。次帰ってくる時は、もう社長かもね」
社長?道明寺グループの?
もう、そんなにかけ離れた存在になるんだ。

「そっ!あたしには、関係ないけど」
心と口はどうしても別のことを言ってしまう。
本当は、本当は、さみしいくせに。

「…そう?じゃ、今日空いてる?」
そんなことに気づいてない類はデートの誘いをしてくる。

「うん。今日バイト休みだよ」
もう道明寺は他人になった。
もう、世界の道明寺なのだから。
あたしには類という彼氏がいる、もうあたしたちは会うことはないだろう。

「じゃーさ、カフェでも行こ?」

「うん。何時?」

「今行こーよ。早く行きたい」

「え?今っ?」
驚いて、聞き返してみる。

「ダメ?」
そんな、悲しそうな顔で言われたら…

「い、いいけど…」
としか言うことがないけど、本当に言ってよかったのか…

ねぇ、道明寺?

もうあたしたち、終わりだね。









いつも応援ありがとうございます。

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No More Again 2

付き合う…?
えっ、ホント…?
「ホ、ホントに言ってる?」
聞き間違いではないのかと思い、聞いてみると。

「うん。そこまで言われたら、なんかね?俺別に牧野のこと嫌いじゃないから。」
なんか、あたしが無理やり言わせた感あるけど…
嫌いじゃない?!
えっ、チャンスあるんじゃないの?

「えっ、ホントに?えっ、やったぁ!」
あっ、声に出ちゃった…
もしかしたら、ひかれるかも。

「そんな嬉しい?あんたが嬉しいなら良かった。」
うそぉっ!
あんたが嬉しいならよかったって、、
花沢類が言った。

「ありがとう、花沢類。」

「付き合うならさ、類って呼んでよ?」
……類?
前にも言われたけど、結局言えずじまいだったのが!
チャンス到来っ!
あたしも静さんのように類って呼べるかな…?

「類…って呼んでいいの?」

「うん。花沢類じゃ長いでしょ?」

「うん、そうだね。ありがとう、は…類!」
うわぁ、やっぱり“花沢類”から“類”はハードル高いな〜…
そう思いながらニコって笑った。

「ぶはっ、あんたの顔おもしろっ…ははははっ」
おもしろって…
でも、類の笑った顔ってすき。
やっぱりイケメンだな…

「ちょっ!し、失礼なこと言わないでよっ!」
そんなことを思ってもちゃんと、怒っておくけど。

「ご、ごめ…ぶっふっ!」
…ちょっと待ってよ。そんなに面白い?
なんかイライラしてくる…!

「いつもあたしはこんな顔なんですけどっ?!」

「ねー、牧野……あ、俺もつくしって言った方がいい?」
もう言えることがなくて適当にはぐらかしてみた

「……つ、、つくし?いや、えっ、どっちでもいいよ……?」
その方がいいけど…
そんなこと本人に言えないよぉぉぉ

「じゃ、呼ぶね?つくし」
“つくし”と呼んだ類がフワッと笑った。

「っ…」
なんだこの、抜群の破壊力っ…
ヤバいっ、イケメンスマイルがっ!

「ん?どうしたの?」
そして本人が無自覚…
あたしホントにこの人と付き合ってるんだぁ…

「な、なんでもないよっ?」

「そ。」

「あ、あたし!授業行ってくるね!ま、たね?」
恥ずかしくなって、適当に逃げてった

「うん。」


そこに誰かがいるとも思わずに。









ーーー

「聞いたかよ。類と牧野。」

「やべーぞ。司、マジで牧野に惚れてたろ?」

「あぁ、司が聞いたら類どうなることか…。
一応諦めてたけどな…ありゃ、すぐ帰ってきそうだな」

「あぁ、そうだな…」

「司、元気かな。あの寂しがり屋なあまのじゃく野郎」

「あきら、電話してやれよ。」

「はぁ?ふざけんなよ、総二郎しろよ。」








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No More Again 1

道明寺がNYに行った。
なんか…胸がぽっかりあいた感じ。
で、でも!あたしは花沢類のことが好きだしっ!
道明寺の家でごめんって言われたけど、もう道明寺なんかいないしっ…変なことされるわけでもないし…


あたし、花沢類のこと頑張ってみよっかな?









ーーー
いつもの様に非常階段に行くと花沢類がいた。
「牧野、おはよ」
そう言って、いつも通り挨拶をしてくれる。
一応、気にかけてくれてるのかな?

「おはよう。花沢類」
だからあたしも普通に挨拶をした。
そんな様子に別に驚くこともなく、会話を続けた。

「あんたここ好きだね。俺の場所なんだけど…」
好きだよ。だって、あなたがいるから。
そう言いたいけど、もうあたしは振られた身だからな。

「うん好き。花沢類の場所でも、私は好き」
だから、こう答えるしかなくて。
花沢類は別にふーんって感じだけどな。

「あんたらしいね。司のこといいの?」
“あたしらしい”か…、なんか嬉しい。
でも、道明寺のことはもういいのっ!
あんなひどい奴なんか関係ないし、心配する義理もないしっ…
“好きだ”とは言われたけど、別にあたしは花沢類が好きだし…

「えっ?あんな奴なんかもうっ!
どーでもいいしっ!てゆーか、なんであたしに構ってたのさっ!
こっちはマジ迷惑だっつーのっ!」
この気持ちをそのまま花沢類にも言った。
やっぱり口に出すとスッキリした気がする。

「司はどーでも良くなさそうだったけどね。」
それは花沢類が適当に言ってるだけでしょ?
またあたしをからかって…
なんか、気持ちがモヤモヤしてくる…
べ、別に道明寺のこと気にしてるわけじゃないし、花沢類に言われてるからだし…

「……あっ、あっそっ!」
でも、ちゃんと反論できなかった。

「司も牧野も正直に自分の気持ち伝えればよかったのに」
はぁ?なんで、あたしがあいつのこと好きってこと?そんなわけないしっ!
てゆーか、花沢類あたしが花沢類のこと好きって知ってるくせに…

「な、なによ正直って…!あたしなんか、365日24時間いつでも正直だしっ!」
やっぱりあたしは正直になれない。
全然、素直なかわいい女の子じゃないもん。

「…そ」
花沢類はそんなの気にしてなさそうだな。
あたしだって、正直にいたいもん。
あー、もう言っちゃうよ。
言いたい、好きって言いたい…!

「あ、あたしは!花沢類のこと好きだから…」
言っちゃった。
でも、たまには正直なれた…かな?

「前も言ったじゃん。静のことが忘れられないって」
わかっていたけど、やっぱり振られた。
これじゃあ前と変わらない、このままじゃダメ。
あたしの中の何かが動いた。

「じゃ、あ!静さんを忘れるためにあたしを使って!あたしと付き合ったら、もしかしたら、あたしのこと好きになるかもしれないでしょ?」
気がつけばとんでもないことを言っていた。
もちろん花沢類も驚いてこっちを見ている。

「…は、何言ってんの」
そうだよね…やっぱり、引かれちゃったかな?
で、でも!言っちゃったから、もう突っ走るしかないっ!

「あたしだって花沢類のこと諦められない。忘れられないっ!」
もう、この気持ちは止められないのかも。

「ほんとに言ってるの?」
うわぁ、ダメだ…なんか困ってる……

「…あたしはいつも正直だよ?」
もうこれくらいしか、言う言葉がなくて。
こう言うしかなかった。

「…牧野。俺、牧野と付き合うよ」
でも、3回目のお告げの言葉が出ると思った花沢類の口からは、待っていた言葉が出た。

なんていうか…
心臓がバックバク…







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新連載です!

次に書かせて頂くお話は、

司くんがつくしちゃんを諦めてNYに行ったあと、つくしちゃんが司くんのことを好きだと自覚する。

それから5年後再会して、つくしちゃんを諦めようとしても諦めきれない奥手な司くんと今会ったのは運命!と捉え、グイグイアタックするつくしちゃんのお話にしようかな〜と思っています。

タイトルは“No More Again”です。

明日からできたらいいなぁ〜と思っています。
楽しみにしていて下さい。



Hihaara

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陽炎 29

やっとここまできた。
親からサインをもらって、牧野も婚姻届にサインして…

遂に結婚。


俺たちは8年もの間会っていなかった、もっと言うとお互いのことを忘れていた。

再開して1ヶ月も経たないうちに結婚。
俺は好きなのは牧野だけで、それは今も昔も未来も絶対変わらないと思う。
牧野は本当に俺と結婚してよかったのか…
できるならしたいけど、俺は牧野を忘れてたひどいことをした前科がある。
そんな俺と結婚してあいつは幸せになれるのか…ふと思ってしまう。

「牧野…」

「なに?」

「お前、俺といて幸せか?」
今まで心の中に秘めていた思いを聞いてみた。

「うーん…わかんないけど、わかんないから幸せなんだよ」
わかんないから幸せ、なんか牧野らしいな。

「俺と結婚してよかったか?」
これでよくないと言われたらもう牧野は忘れよう。
その覚悟で聞いたけど

「うん。もちろん!」
そんな気持ちを忘れされるほどの笑顔の牧野を見たら、俺の方が嬉しくなってきた。

「そっか…愛してる。」
ずっと言いたかったこの言葉。やっと言えた。

「うん。あたしも愛してるよ」
牧野が、俺のことを“愛してる”って…
今の俺は有頂天を超えていた。

「つくし…って呼んでいい?」

「……いいよ、司。」

司…。
こいつが俺のことを司って言った…
やべぇ、ニヤける。
顔がやべぇ…








ーーー1年後

「うっ、はぁ、あっぅっ…」
つくし、すげえな。

「つくしっ…!」
今の俺には名前で呼んで励ますことしか出来ない。

「………ぅっづか……ざっ……!」
そんな中でも俺の名前を呼んでいる。

「つくし、愛してる。がんばれ。」

「……んっぅ、はぁ、あっっ!」
つくしの声が変わった。
どうしたか、なんかあったのか?
そう思ったあとすぐ、肌色のものが見えた。


「おぎゃゃゃゃぁぁ!おぎゃゃゃゃぁぁ!」
生まれた?
赤ちゃんが、俺とつくしのの赤ちゃんが生まれた。

「はぁ、はぁ、う、生まれたぁっ…司、生まれた…よっ!」
汗をかいて、疲れているのにも関わらず笑顔で、赤ちゃんを抱っこした。

「つくし…よく頑張ったな。」
頭をポンと叩き、つくしの隣に座って赤ちゃんを見た。

「はぁっ……うん!」

「お母さん、よく頑張りましたね。元気な女の子ですよ。」
赤ちゃんは目がクリクリで肌が白くてちっちぇつくしみたいだった。

「よかった、生まれてきてくれて。」
ホントに赤ちゃんが出来るなんて思ってなかった。
1回流産仕掛けたから生まれてきても小さくて、病弱な子だと思っていたけど元気な女の子と言われてホットした。

「司…。あっ!ほら、抱っこしてあげなよ?パパですよ〜」
つくしが赤ちゃんを俺の方に向けて抱っこさせようとした。

「うおっちょっ、おいっっっ…」
赤ちゃんなんか触ったこともない俺は焦りつつも優しく抱っこした。

「かわいいしょ?」
そう聞いてくるつくしも十分可愛くて、赤ちゃんとそっくりだった。

「そーだな、お前の次にかわいいわ」
赤ちゃんだってかわいい。でも、つくしより可愛い子はこの世にはいない。

「そ、そーゆこと言わないでっっ!」
そういうことを言うとつくしは真っ赤になって照れるが、そういうときももちろん可愛かった。

「照れてんのかよ」
少しいじわるっぽくつくしに聞いてみた。

「……照れてないし、ねー」
少し間は空いてたが、否定したつくしは赤ちゃんに同意を求めた。
するとニコッとわらった。

「笑ったな、お前にそっくりだ」
ホントにつくしにそっくり過ぎてびっくりする。

「ホント?嬉しい〜」
それを聞いた牧野は喜んでいる。

「こいつ、名前何にする?」
前つくしと赤ちゃんについての話しをした時に、名前は見てから決めようとなった。
つくしはどんな名前を付けるのか、気になるな。

「うーん……………………さ、く、…さくっ!」
じっくり悩んだつくしは“さく”という名前をつけた。

「さく。いい名前だな、漢字は?」
つくしがつけた名前、やっぱりいい名前だった。
漢字はこだわってるのか?

「花が咲くの“咲く”に、空!」
案外普通だったけどつくしには考えがありそう。
それはまた今度聞こう。

「…うん、いい。」

「ふふっ!」
ニコッと笑ったつくしと自分の名前を聞いて嬉しそうな咲空に言った。


「つくしも咲空も愛してる」









fin

最初15話とか言ってたのに、もう29話です…笑笑
でも、無事に完結出来て良かったです!
ありがとうこまざいました。
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すいません!

私の家が札幌の方で、地震があり、現在停電中なので何日か休ませてもらいます。

管理人 Hihara
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陽炎 28

あれから2週間が経って、道明寺のお母さんが帰ってくる日になった。
それまでは本当に大変だった。

まず、山野社長からの質問攻めに道明寺が「明日お前の親に挨拶行って婚姻届書いてもらうぞ」と言って、
次の日行ったらママは大泣き、パパは小躍り、進は口が空きっぱなしでとんでもない画だった。

もちろんサインをもらったあたしたちは次に道明寺邸に行き、たまたま帰ってきていたお姉さんからの質問攻めとお酒攻め、お洋服…やらなんやらでなぜか結婚式の予約までしていた。
再び道明寺邸に帰ったらタマさんにも会い感動の再開かと思いきや道明寺がF3に会いに行くと言い出しすぐにお別れ。

F3に会ったらまたまた質問攻め。
そしてお決まりのまだやってないのかと言われ道明寺が怒って引っ張られるように帰る。

その次の日は引越しの準備して、
その次の日にもう引越し。

で、なんだかんだで2週間が経っていま、道明寺のお母さんを待っている状態。

「ね、いつ帰ってくるの?」
もう30分くらい待ってる気がするけど、まだ帰ってこない。さすが道明寺財閥の社長。

「知らねぇー」
そしてこの日本支社長が息子。

「ふーん」
あたしはその息子にひとつ言いたいことがある。


あたし…


プロポーズされた?

された記憶がない。

でもなんか、結婚する流れになって婚姻届の空欄はあたしと道明寺お母さんだけ。

なんとか、はぐらかして書いてないけど道明寺は気づいていないのかな?

「司、牧野さん。」
そう言って道明寺のお母さんがやってきた。

「ご無沙汰してます。」
そう言いお礼して、席に座った。

「本題に入るが、俺はこいつと結婚するからサインをくれ。」
道明寺がそう言って、婚姻届を渡した。

「分かりました。」
道明寺のお母さんがペンと判子を出してスラスラと書き始めた。

「ありがとうございます」
あたしはお礼を言い、ずっと気になっていたことを聞いてみた。

「あの、ひとつ聞いていいですか?なんで、あたしたちの結婚を許してくれたんですか?」

「……“なぜ”ですか…?」
なぜ…うん。そうだ、気になる

「はい。昔は私たちが付き合うことに反対していたのに今はなぜと思ったので…」
失礼を承知で直接聞いてみた。

「それは、記憶喪失のときのあなたを見てこの人ならと思いました。あなたは唯一、司を一人の人として見てくれている女性なのではないかと思いました。
昔のことは悪いことをしたと思っていますが、これからは仲良くしていきましょう?」
思いがけない言葉に思わず泣きそうになった。
こんなことを思っていたなんて…
認めていてくれていたなんて…

「はいっ!ありがとうございます。」

「お義母さんと言ってちょうだい?私もつくしさんと呼ばせてもらうわ。」
お義母さんとつくしさん…なんか嬉しい。
道明寺も微笑みながらこちらを見ている。

「はいっ!お義母さん!」
笑顔でそう答えてみた。





ーーー
「ヒビったわ…」
お義母さんが帰ったあと、道明寺がため息をつきながら言った。

「えっ?なんで?」

「なんでとか聞いたから、結婚するのが嫌なのかと思った」
道明寺って、いつも偉そうだけどそんなことを考えるよな…

「嫌じゃないけど…」
でも、やっぱりプロポーズはされたいっ!
結婚するなら…せめて…!

「あ?」

「道明寺…プ、プ、プロポーズってしてくれないの?」
恥ずかしくなりながら言ってみた。
変な空気…。
やっぱ、言わない方が良かったかな?

「………ぷ?」
うわぁ、ダメだっ!

「…いや、あっ!なんでもないっ!気にしないでっ!うんうんっ!」
うまく誤魔化しきれないけど、適当に誤魔化そうとしたら

「牧野…結婚して下さい。」
サラッと道明寺が言ってくれた。

「……はいっ」
それに応えて、涙目で返事をした。

「悪ぃ、もう気分が上がって大切なこと忘れてた」
なんで同棲とか変なことは思いつくのに、プロポーズは思いつかないんだろう?そう思いつつペンを取り出してた。

「じゃ、最後あたしが書くね?」



これであたしは道明寺つくしになる。








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