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No More Again 10

これから、道明寺と会う時どうしよう…
攻めるって…
あたし恋愛に対してそういうこと出来るタイプじゃないし…
で、でも攻めなきゃ道明寺とはお友達…いや、お友達以下の関係で終わっちゃうから、なんとしてもこのチャンスをものにして…!








ーーー
「失礼します」
牧野……!?

「おう」
驚きを見せないように少し余裕を見せる。

「飛田工場との会計の事なんですが…社長は一昨日飛田社長と会食を行ったと聞きまして」
牧野がスラスラ仕事の話をする。
…こいつ頑なだな。
…敬語やめろって言っただろ。

「お前、何回言えばわかるんだよ。敬語は使うなって」

「ですが…」
頑なな牧野は敬語をやめようとしない

「俺は、敬語が嫌いなんだよっ!いいから使うなっ!」

「はぃ…っ!……わかった……」
牧野は少し敬語を使いつつもやっとタメ口に直した。

「んで、飛田か?会計は俺の秘書に渡したはずだからそいつから貰え。他になんかあるか?」
敬語がなくなってお茶を飲んで一息ついていると

「今日空いてる?」
…今日
…空いてる

こいつ、何言ってんだ?

「ッッッゴホッ!今なんつった?」
あまりの驚きにお茶を吹いてしまった。

「今日、どこかに行かない?」
どこかにって牧野と?
どうせ、期待して類がいるとかそういうパターンだろ?
どうせなら少しからかってもいいよな?

「…誘ってんのか?」

「………さ、誘ってる」
顔を真っ赤にして小さな声で言ったのを俺は確かに聞いた。

「お前何言ってんの?」
そう聞くしかなかった。
本当に何言ってるんだ?
俺の事、好きだけど付き合わなくてもいいって…

「…だって」
しょんぼりした顔を見た俺は断らずには居られなくなって

「…じゃあ行くぞ。俺の好きなご飯な」
結局OKしてしまった。

「…え?」
なんだよこいつ。
誘ったくせにOKしたらこんな態度って…

「なんだよ自分で誘ったくせに」

「だって、嫌そうだったから…」
そうだよな、こいつ自分の気持ちより人の事のほうを考えるやつだもんな。

「俺なぁ、明日から出張なんだよ」
ここは嘘ついて諦めさせれば、前のトラウマのようにならないんじゃなないか。

「えっ?あ、じゃあいい…」
案の定拒否る牧野にもう一押しだな。

「行くって決めたんだから行くからな?」
これで断られば…

「う、うん」
…!?
…明日出張だぞ!?
こんなはずじゃなかった…
でも少し喜んでる俺がいる…


もし、食事して酒飲んでいい雰囲気の中で牧野と…
と考えると、さっきから早く仕事を終わらせて…と思うが、それはただの牧野が俺と話したかっただけで、俺だけ気持ちが高ぶってまた勘違いして…と思う気持ちもある。
どっちにしても俺の牧野への気持ちが高ぶっていることは間違いない。
“調子に乗るな”自分に何回もいいきかせても牧野から好きと言われた以上調子に乗るのは無理もない。

本当にこのままでいいのか……?


頭がモヤモヤの中牧野のことを考えないように仕事をパキパキしているときふと思った。
なんかいつもより仕事の量多いな…
西田めっちゃ出入りしてるし。

西田にとって今の俺は効率よく働く下僕か。





早く牧野に会いたい。
頭の中は昔の記憶なんかより牧野のことでいっぱいだった。








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No More Again 9

道明寺達と会って3日たった今日、再び道明寺と会った。
こないだの車の中以来に会い、なぜか今ふたりきりの状態。
「社長…?」

「なんだよ。てか社長ってやめろよ」
道明寺、怒ってる?
でも呼んだのそっちだし…

「用事ないなら帰るけど」
特に何も用事がなさそうだし、もういっかな…
もっと嫌われたくないし…

「……お前、ここも担当するから」
道明寺がいやいや言い出したその言葉にあたしは頭の中でずっとリピートされていた。

「へっ?」

「俺の担当してた松原が寿退社したから、手が空いてるお前が社長と副社長だってよ」
松原さんっっっ!
そういえば、退社する時「つくしちゃん、頑張って!!」って…気になってはいたけど、まさかこんなことになるとは…

「え、なんでっ…」
つい言ってしまった
すると、道明寺は少しイラッとした顔をしてすぐにでも喧嘩モードに入りそう。

「やなのかよ、あ?こっちだってな…」
うわぁ、喧嘩モードッッ!
この喧嘩を買ったらさらに嫌われて…

「そ、そんなことないです!失礼しましたっっ!」
そう思うと道明寺の話を遮ってまで否定し、とにかく出ていくしかなかった。



それにしても偶然にしては出来すぎているこの出来事にあたしは驚きを隠せずにいた。
道明寺って、あたしのこと嫌いじゃないのかな?
だって、そんな部下なんて自分で操作できるのに断らなかったってことは嫌われてない…?
ここは攻めなきゃダメだっっ!
道明寺と会う時はもう、攻めに攻めに攻めまくらないと……!








ーーー
「おい西田」


「はい」

「牧野のこと、俺はもう忘れてるからな?
いいか、別になんとも思ってないんだからな?」

「はい」

「余計なことしてくれたな、あ?」

「それは仕事上しょうがないことです。私のせいだと思うならそう思ってて構わないですが、社員を傷つけるような真似はしないでください。」

「ちっ……出てけ。邪魔だ」

「失礼しました」





「もしもし、西田です」

『西田さんっ!司、怒ってましたー?』

「まぁ…でも、私のことと片付けておいたのでもう探られることはないかと…」

『いやぁ…本当にありがとうございます。私もほんとドキドキで…』

「坊ちゃんの昔のような姿を見られればいいですね」

『はい。これがあたしの目的なので。
司が忘れられなくて、人格が変わるくらい好きになった女の子ともう一度幸せになって欲しいんです。司にはいろいろ助けて貰ったから』

「大河原様にも幸せが訪れましたか?」

『はい。私、今本当に幸せだから司にも幸せになって欲しい。この幸せをくれてのは司だから』

「そうでございますか。では、失礼致します」








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No More Again 8

「あたしも楽しかったよ」
そう返した言葉に道明寺は何も言わない。
やっぱり、もうあたしのこと嫌いなのかな?
でも、もう会うチャンスは無いかもしれない。

ここで決めなきゃあたしじゃないっ!
行くのだ牧野つくし!

「道明寺!」

「あ?」

「あのさ、あたしね…」

「なんだよ」

「ど、道明寺のことがす、好きですっ…」

「っ…?」
うわ、やばい困らせてる。
やっぱり言うべきじゃなかった…

「いや、べ、別にね、まぁ、それでどうこうとかそういうわけじゃないんだけどね…ま、まぁ、ね言いたいなって思っただけだから」

「お、おう…」




そのまま気まずいまま目的地に着いてしまった。
あたしはもう、振られたようなものだ。
あたしに気を使って道明寺はハッキリしたことを言わないだけで、あたしのことは嫌いなんだな。


「類…あたし多分振られた」
類に会った瞬間言った。

「え?多分って何?」
それでも類は平然とあたしの話を聞いている。

「だって、好きって言ったら何も言わなかったから…嫌いなのかなってさ…思ったの」
あったことをそのまま言った。

「なんでそんな弱気になってるの?
あんたは雑草のつくしでしょ?」
そしたら類はあたしに優しく、厳しくエールを送ってくれた。

「うん、そうだよね…頑張る…!」
この人はやっぱり、あたしに元気をくれる。








ーーー
「司〜久しぶりだな?」
牧野と類はどっか行って、俺は総二郎とあきらと合流した。

「おう」

「お前も色々大変だな?」
あきらは相変わらずの顔で聞いてくる

「まぁな。
日本に戻ってから、忙しくて自分の時間すらないんだわ」

「そうだよな〜」

「しかももう恋人作らない宣言な、あれはマジウケたわ」
総二郎が話す事はやっぱりそういうこと。

「なぁ〜」
そしてあきらも同意する。

「うるせーなっ!
作らないっつったら、作らねーんだよっ!」
イライラした俺は昔のように怒ってしまった。

「それが牧野でもか?」
牧野でも?

「っ…!」
何も言い返せない俺に

「「ほらなぁ〜?」」
といじるあいつらに

「うるせぇっ!
早くあっち行けっ!」
俺は怒鳴ることしかできない。

俺は牧野が好きだ。
でも前のように傷つくのが怖くて、牧野に好きだと言われても何も言えない。
本当は嬉しい、抱きしめて「俺も好きだ」と言って…
牧野と5年ぶりにしたいことは言い出せないくらいある。
キスもハグもそれ以上もしたい。
でも俺にはそのあとが怖い。
前のように1人で盛り上がってたらどうしよう…
突然別れを告げられたら?
俺は本当に大丈夫か?
牧野のことは好きで、俺が恋するのはこいつだけ。
でも俺は不安で不安で、もう恋すら諦めている。









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No More Again 7

昨日のことは忘れて、しっかり仕事をしようと思っていたけど、今日は土曜日だった。
特にやることもないし、何かやりたいことも無い。
そんなときに、類から電話がかかってきた。

「もしもし?類、どうしたの?」

『あー、あのさ。司のことなんだけど』
道明寺のことと聞いて、少し胸が痛む。

「…何?」

『帰国してから俺ら4人で集まってないから、集まろってなったんだけど、つくしも来る?』
じゃあ、道明寺と会えるってことだよね?
あんなに言い争ったあとなのに?

「えっと…類、ちょっと聞いてくれない?」
類に相談してから、行くか行かないかは決めよう。

『何?なんかやらしたの?』
類は少し馬鹿にして聞いてきた。
類の察知能力は高くて、何かあったら直ぐにバレてしまう。
今のように。

「あたしが課に配属された時、副社長に挨拶に行ったの。
そこにね、道明寺がいたの。
それで、道明寺があたしが道明寺の会社に入ったのが、道明寺への腹いせのためって勘違いして…」

『それでまさか…』
この先は言わなくても類なら分かってくれるであろう。
でもやっぱり自分の口から言いたくて、

「言い合いになって、喧嘩した…」
言ってしまった。

『…バカなの?』

「わかってるけど…でも、会わせる顔がないし…」

『このままでいいの?』

「よくない…」

『じゃあおいで。明日の夜8時くらいからだから、
俺が迎えに行くよ』
やっぱり類なら行かせてくれるって思った。

「…ありがと」


類は本当に優しいな。
何度類に助けられたことか…
類の善意を無駄にしないで、ちゃんと道明寺と仲直りして、ちゃんと元の関係に戻さなきゃ。

あたしは…道明寺のことが好きだから、
まぁいや、下心はあ、あるけど…
いや、まぁ、えっと……
うーんと、道明寺と付き合ったら…
いや、そんなことはできないかっ…
そうじゃなくて、えっと…

ま、まぁ、道明寺と話そうっ!








ーーー
ピンポーン

「あっ、類!」
そう言ってドアを開けると

「……よぉ」
類ではない人の声が聞こえた。
その声の持ち主は…

「え?道明寺?!」
だった。

「…は、早く行くぞ!」
来てそうそう、あたしの腕を引っ張って歩こうとするから

「え?ちょっと待って…類は?」
何を言っていいかわからなくて、ついつい聞いてみた。

「な、なんだよ…類じゃないとだめなのか?」
なんか険悪そうな顔をしてる…
あ、そういうこと言ったらさらに嫌われると思い、

「いや、そうじゃなくて…
類はどうしたのかなって思っただけだからさ…」
急いでフォローを入れる。

「類はなんか用事できたらしいから、俺に行けって言った」
そうなんだ…
ん?待てよ?本当に類は用事かな?
もしかしてあたしに気を使って…?

「そ、そうなんだ…ありがと…」

「お、おう…」









ーーー
あたしの家を出てから道明寺の車に乗り込んだ。

「そ、そういえば、道明寺って車運転するんだね〜」
話すことがなくて、適当に話を見つけて聞いてみた。

「まぁな」
やっぱり変わらないな…道明寺って。

「すごい大変なのにわざわざありがとう」
一応お礼もしといてみる。

「まぁ、お前はすぐ寄り道とかしそうだからな」
は?どいうことさっ!
少し頭にきて反論した。

「べ、別にしないし…!」

「すぐキョトキョトして、俺らに迷惑かけるからな」

「もう!そんなことないってば」
なんかこんな言い合いをしてると昔のことを思い出してきて、時の流れを感じる。
道明寺も同じことを考えていたのか

「元気だったか?」
と聞いてきた。

「うん。毎日バイト三昧だから、お金は結構溜まってるんだよ?」

「そうか…」

「道明寺は?」

「俺は元気だけどなんかつまんねーって感じ。
やっぱりあいつらといた方が楽しかったな」
F3といた方がそりゃ楽しいに決まってる。
そんなに4人で会うことないのに、あたしを誘ってくれたんだな…

「まぁ、そうだよね…」

「お前といた時もホント楽しかった」
えっ?そうなの…?
その言葉がすごく嬉しくて、喧嘩したことすらすっかり忘れて

「…あたしも楽しかったよ」
と返していた。









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No More Again 6

道明寺…?!

「社長?お知り合いですか?」

「…っと、見ない顔だから…新人か?」
これは…他人のフリ?
絶対あたしって気づいてるよね??
ここは空気を読まないとっと…

「はい、システム課に配属されました。
牧野つくしです。社長、はじめまして」
でもやっぱりイラッときたし………
忘れてて欲しくないから、最後の言葉を強調して言ってみた。

「おう。お前ここの担当か?」
うわっ、この顔…
ちょっとひきつってる…
絶対覚えてるぅっ!

「はい。そうです」

「よろしく」
よろしく?!あたし1度も言われたことないのに、社長となるとそうなるかっ…!

「では私は副社長に挨拶をしに来たので、これで…」

「ああ、ありがとう」
副社長はやっぱりいい人だっ…
帰る間際のドアを開ける前、そう思った。





てゆーか、あたし運良すぎじゃない?!
やっぱり、あたしと道明寺は結ばれる運命…?

なーんてね、もう会うことはないかもしれないのに。

「牧野、ちょっとこい」

「は?えっ…どっ…?」








ーーー
「お前、どういうつもり?」
少し冷たい目をしたような、泣きそうな目をした道明寺があたしに聞いてきた。

「え?何が…ですか?」
一応上司の道明寺にあたふたした敬語で質問した。

「いや、もういいし。普通通り話せ」
やっぱり、気づいてたんだ…

「でも一応上司…」
そんなこと言っても

「あ?そんなの関係ねぇよ」
やっぱりこうやって言い返すよね…

「あ、うん…で、なに?」
改めて質問の内容を聞く

「だから、どういうつもり?」
どういうつもりって…
あたし、なんかした?

「は?何が?」

「なんで、この会社にいる?」
あ、そういうこと?
てゆーか、社長が社員になんでそういうこと言うのかな?
でも、道明寺と会いたいから…
好きだから…なんて言えないよ、、、

「働きたいから」
適当に答えると道明寺の顔がこわばって

「俺になんか腹いせでもするつもりか?」
なんてことを言った。
そんなことするつもりなんかないのに、無駄に疑われたあたしは、だんだん怒ってきて

「しないって!
あたしは、ここでちゃんと働きたいから就職したの!
あんたなんか…あんたなんか…」
好きな人に言ってはいけない言葉。
あんたなんかって…
もうあたしって…

「そうかよ、じゃあな…」
道明寺は少し悲しそうな顔をして部屋から出てった。
やっぱりイラッとくるよね。
自分を否定されるなんて、人を否定するなんて最低だ。



「っ………やっちゃった…うっっ……っ…」


この日ほど意地っ張りなあたしを恨んだ日はなかった。
もしかしたら、この日が道明寺と会うのが最後かもしれないのに。
後悔という言葉じゃ言いあらわせないくらい悲しかった。







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